介護を仕事にするということ

十数年介護を仕事にしてきて日々思う事

介護の天才

介護を仕事にして十数年、中には「天才やな」と思う職員がいます。

私は仕事として介護をしていますので、頭で考えて、知識や経験、技術から利用者の介護を考えてから行動します。普通の事ですよね。

しかしながら、天才はそんな必要がないのです。

自らの天性の感情と感覚で介護を行います。ですから、即座に行動し、その行動をなぜ行ったのかなんて考えていません。

 考えなくても、その利用者の気持ちになることが出来て、その利用者が望むことが出来てしまうのです。

介護を行う上で、利用者の気持ちを知ることが大事なことは言うまでもないことです。なので、我々介護を行うものは利用者の気持ちを知ろうと考えます。天才は気持ちを知ろうとするのではなく、気持ちになれるのです。

気持ちになれるので、考えずに行動しても、大きく間違ったことはしません。

すごいことだと思います。いくら知識をつけて、経験を積んだとしてもその領域には入ることが出来ません。

その天才たちは「万人を愛せよ」と言わんばかりに、全ての人間を愛し、全ての人間が幸せになれる方法を考えているような人たちです。だからこそ踏み入ることができる領域なんでしょうね。

ただ、その天才たちが、揃って苦手なことがあります。

それは、自分の頭の中を人に説明する事です。

天才たちは考えずに介護ができてしまうので、なぜそのように行動したのかを考えていません。なので、感覚を人に伝えることが難しいように、人からなぜそうしたのかを問われても、明確に答えられないのです。

現場でガンガン介護をしていればあまり問題にはなりませんが、行事の企画や上の立場になって人を教育や指導を行うとなると、大きな問題になります。

感覚を話すので、同じ感覚で聞ける人にしか理解できないのです。

 

天才は潰れていきます。

やる気もあり才能にも恵まれている、介護の為に生まれてきたような人間を理解できず、現場では実績を残せるのでリーダー格へ起用されるも、企画や教育が出来ないといって飛ばされる。天才はそんなことではやる気を失わないのが、せめてもの救いですが、折角の才能はいかされないまま埋もれていきます。

天才を生かすも殺すも、天才を理解できる職場環境次第です。天才はそんな簡単に見つけられません。我々常人ではできないことを天才は出来るのです。それを認め、如何に生かしていくかを考えれば、利用者にとって必ずプラスの結果になります。天才にだって苦手なことはあります。そこをカバーできるのは職場環境です。天才の声を聞いてそれを実現できるようみんなで考えていくことが必要です。

 

上に立つものも理解すべきだと思います。職員単体の能力だけで評価するのではなく、組み合わせをもっと考えるべきです。相乗効果が期待できる組み合わせを行う事で能力以上のものを発揮できることもあります。

天才も同じです。もっと才能を生かせる組み合わせを行ってでも、天才を生かすべきです。それが介護の質を上げることになり、利用者利益につながることは確かです。

 

いろいろ書いてきましたが、要するに、介護の世界には天才がいるから、うまいこと使って利用者にハッピーになって頂こうということです。