介護を仕事にするということ

十数年介護を仕事にしてきて日々思う事

介護の専門性

介護と看護の関係性はどこにいっても言われることですね。

っていうほど私は多くの事業所を経験してませんが(笑)

話はあちこちで聞きます。

 

以前、面接に来た看護師は「介護と看護は永遠のテーマだ」なんて言いながら、完全に介護を見下したような物言いだったんで落としました。

そりゃあ、看護師は業務独占ですし、病院経験してたら看護助手のイメージで介護職に接するでしょうから、見下していても仕方ないかもしれません。

 

しかし、介護施設では同じ立場であるべきなんです。

いや、どっちかっていうと介護主導であるべきなんです。

介護施設は病院ではありません。治療ではなく生活する場所です。

 

なのに看護が主導権をもっている介護施設があります。

介護と看護がもめた時に看護が勝つんです。

なぜなんでしょうか。

 

それは、看護は専門家で、介護が専門家になりきれてないのが原因だと考えてます。

確かに介護って、昔は「誰にでも出来る仕事とか」「近所のおばちゃんの寄せ集め」「子育てしてたら一緒や」みたいに言われてた時代がありました。

 

介護保険が始まる前は、専門性なんて口にする人は、ほとんどいなかったと思います。それで良かったからですが、今は違います。

介護には専門性が必要で、我々介護に携わる人間は専門家であるという自覚と誇りを持つべきなんです。

 

看護は学校を出て資格を取らなければ業務できません。そのため専門的な知識のうえで経験を積んでいます。介護は資格保持者が増えてきたとはいえ、現場叩き込みでも資格取得できます。

また、看護は命を守るという、マズローで言う一番下の欲求の部分に携わる仕事です。

介護と看護がもめると、看護の方が専門的知識と人間の最も重要な欲求の部分で攻めてきますんで、並みの経験則では太刀打ちできないのも仕方ありません。

 

そこで重要なのが介護の専門性です。介護ってなんなのか自分の中ではっきり根拠を持っておくことが必要です。

介護は単なるお世話ではありません。

その利用者が求めているから介助するのではありません。

その利用者に、なぜその介助が必要なのか、専門的に根拠をもった上で介助する必要があります。

 

介護は「科学的根拠に基づいた実践」です。

 

その為には多くの知識が必要です。そんなに簡単に得られるものではありません。

しかし、今介護現場に求められているものなんです。

少しずつでもいいと思います。利用者に介助をする時に「なんでこの人にこの介助をするのか」を深く考えてみてください。

答えが出ないときには、近くにいる先輩方に聞いてください。分からなければ話し合ってみてください。一人で分からないことも数人で話しているうちに見えてくることもあります。

考え続けることが自分たちの専門性を高めてくれることに繋がると思います。

 

いろいろ書いて取り留めのない文章になっていますが、私は介護に携わる人間はもっと自信をもって専門家だと言ってほしいんです。

もちろん看護に勝つ為ではありません。利用者がよりよく暮らせるためにです。

 

介護保険法が出来てまだ20年にもなりません。まだまだ知識も技術も確立されていない部分が沢山あります。

今の常識は数年後には非常識なんてこともあると思います。

その事を頭の片隅に置きながら、柔軟に貪欲に知識の獲得に努めていきたいものです。